勅使門(ちょくしもん)の奥に本殿があり、左より順に一之御殿、二之御殿、三之御殿と並びます。一之御殿から順に八幡大神、比売大神、神功皇后をお祀りしております。
八幡大神 [ 誉田別尊 (応神天皇) ]
東大寺の大仏建立や道鏡の神託事件の時など、数々のご神威をあらわし皇室を護られたことで朝廷から厚く信仰されてきました。また皇室だけでなく、清和源氏をはじめ全国の武士も武運の神「弓矢八幡」として崇敬を寄せ、一般の人々にも鎮守の神として親しまれてきました。6世紀、菱形池のほとりに初めてご顕現された八幡大神は「誉田天皇広幡八幡麿」また「護国霊験威力神通大自在王菩薩」 と名乗られたと伝えられています。仏教の世界でも八幡大菩薩として崇(あが)められ、元寇の時に神風を吹かせた神は八幡様であるとされています。
「護国霊験威力神通大自在王菩薩」の名の通り自在なる御働きをお顕(あらわ)しになります。
また、「八幡神」をお祀りしている八幡神社は全国に存在し、
八百万(やおよろず)の広がりを持つ強いご神力でご守護されています。
比売大神 [ 多岐津姫命・市杵嶋姫命・多紀理姫命 ]
天照大御神(あまてらすおおみかみ)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)の誓約によって誕生したとされる神で、多岐津姫命(たぎつひめのみこと)・市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)・多紀理姫命(たぎりひめのみこと)の三女神のことを言います。筑紫の宇佐嶋(宇佐の御許山)に天降られたと伝えられており、八幡様のあらわれる以前の古い神様、地主神であるとされています。
海北の道中の主として筑前(福岡)の宗像大社や宮地嶽神社、
安芸(広島)の厳島神社などにも祀られており、学問・芸術の上達から財運や
交通安全(航海の安全)など幅広くご守護をされています。
神功皇后 [ 息長帯姫命 ]
神功皇后は、香椎(かしい:福岡県)の斎宮(いわいのみや)で天神地祇(てんじんちぎ)の教えを仰いで熊襲(くまそ)を鎮められた後、皇祖の神助(しんじょ)を得て大陸との交渉を成し遂げられました。『日本書紀』には皇后の敬神(けいしん)の様子や、後に宇美(うみ:福岡県)でご誕生になる応神天皇が胎中天皇であられたこと等が記されています。
神功皇后は母神として神人交歓、安産、教育などの守護をされており、
そのご威徳が高くあらわれています。